出会いはいつだって
あけまして…どころじゃないですね。2月になっていました。今年も探りながら色々書いてみようと思います。
さて、新年一発目に取り上げるのは『坂道のアポロン』です。
- 作者: 小玉ユキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/04/25
- メディア: コミック
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ジャズの歴史を勉強したら、『坂道のアポロン』について色々考えるところがあったので、その話を。
ジャズのはじまり
ニューオーリンズはかつて植民地であり、黒人の奴隷制度もあったため、その時代に生まれた人々の中にはクレオールと呼ばれる白人と黒人のハーフがいました。クレオール人が持つ西洋音楽の知識と、現地の黒人の音楽が合わさって、ジャズが始まりました。
『坂道のアポロン』のはじまり
一方、『坂道のアポロン』の物語は、主人公の薫が横須賀から地方の高校へ転入したところから始まります。
もっと言うと、転入した土地で、同学年の千太郎と出会うことで物語は展開し始めます。なぜなら、薫にとって千太郎は、「新しいもの」だったからです。
二つの異なるものが出会って、新しいものが生まれるように、薫と千太郎が出会うことで新しい物語が生まれているのです。
二つのものが出会えば
興味深いのは、薫と出会い、薫にジャズの選択を与えた千太郎がハーフである点です。
この世にジャズをもたらしたのは、クレオール人、つまりハーフです。そして、薫にジャズを引き合わせたのも、ハーフである千太郎。
二つの血を持つがゆえに、受け入れられる世界が広いはず。だから、その人の持つ世界の中では、きっとより多くの出会いが起きているんじゃないかな。
そして、出会いはいつだって、影響しあって、新しいものを生むわけです。それはジャズであり、物語であり。
素敵だなと思いました。ジャズ誕生の歴史と、ジャズを扱う物語との間には、似た「出会い」があったのですから。
もしかしたら、私が新しいものに心惹かれるのは、そんな何が出てくるのか分からない「出会い」を、期待しているからかもしれません。
今日は同作者の『月影のベイベ』を新しく買ってきました。
まあ…2巻なんですけど。(間違えた)
おわり。